FreeBSD 日本語マニュアル検索 (jman/japropos/jwhatis)


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13.3-STABLE-K, 15.0-CURRENT-K は現在、作成中で日々更新されています。



検索コマンド: man apropos whatis
コマンド/キーワード:
日本語マニュアル RELEASE :
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名称 | 解説 | ケーパビリティ | 使用例 | 関連項目 | 歴史
RTADVD.CONF(5)      FreeBSD ファイルフォーマットマニュアル      RTADVD.CONF(5)

名称
     rtadvd.conf -- ルータ通知デーモンの設定ファイル

解説
     このファイルには各インタフェースに対して、ルータ通知パケットをどのように
     組み立てなければならないかを記述します。

     rtadvd(8) の記述のように、特別な設定が必要で無い限りにおいては、この設定
     ファイルを設定する必要はまったくありません。このファイルがまったく存在し
     なくてかまいません。この場合、rtadvd デーモンは、仕様で指定されるデフォル
     ト値を仕様して、自己を自動設定します。

     記述方法は、有名な termcap(5) ファイルのフォーマットに従います。ファイル
     中の各行には、ネットワークインタフェースを記述します。フィールドは、コロ
     ン (`:') により区切られ、各フィールドは、1 つのケーパビリティの記述を含み
     ます。行は、`\' により次の行へ続けることができます。コメントは、`#' で始
     まります。

ケーパビリティ
     ケーパビリティは、ICMPv6 ルータ通知メッセージを埋めるため、また rtadvd(8)
     の振る舞いを制御するための値を記述します。したがって、もしサンプルの定義
     ファイルを変更したいのであれば、前述のように IETF 近隣検索文書を読むこと
     が推奨されます。

     ほとんど全ての項目は、デフォルト値を持っていることに注意してください。項
     目を省略すると、項目のデフォルト値が使用されます。

     ルータ通知を送信する間隔を制御するための 2 つの項目があります。これらの項
     目は、省略可能であり、この場合には、rtadvd は、デフォルト値を使用します。

     maxinterval
             (数値) 要請されていないマルチキャストルータ通知を送信する間隔の最
             大時間です (単位: 秒)。デフォルト値は、600です。この値は、4 以上
             1800 以下でなければなりません。

     mininterval
             (数値) 要請されていないマルチキャストルータ通知を送信する間隔の最
             小時間です (単位: 秒)。デフォルト値は、maxinterval の 3 分の 1 の
             値です。この値は、3 以上 .75 * maxinterval の値以下でなければなり
             ません。

     以下の項目は、ICMPv6 ルータ通知メッセージヘッダのためのものです。これらの
     項目は、省略可能であり、この場合には、rtadvd は、デフォルト値を使用しま
     す。

     chlim   (数値) カレント中継限界数フィールドに対する値です。デフォルト値
             は、64 です。

     raflags
             (文字列または数値) ルータ通知メッセージヘッダの 8 ビットフラグ
             フィールドです。このフィールドは、大文字小文字を区別する文字列
             か、整数のいずれかで指定可能です。文字列は、各文字が特定のフラグ
             ビットに対応する文字で構成されます。整数は、有効ビットの論理 OR
             から成ります。7 ビット目 ('m' か 0x80) は、管理アドレス設定フラグ
             のビットを意味します。そして 6 ビット目 ('o' か 0x40) は、アザー
             ステートフル設定フラグビットを意味します。4 ビット目 (0x10) と 3
             ビット目 (0x08) は、ルータの推奨度をコード化するために使用されま
             す。ビット 01 (か 'h') は、高を、00 は、中を、11 (か 'l') は、低
             をそれぞれ意味します。ビット 10 は、予約であり、指定してはなりま
             せん。明示的に中を指定する文字はありません。フラグ全体のデフォル
             ト値は、0 (または空文字列) であり、追加設定方法無しで中のルータ推
             奨度を意味します。

     rltime  (数値) ルータ有効期間フィールドです (単位: 秒)。この値は、0 であ
             るか、maxinterval と 9000 の間である必要があります。rtadvd がホス
             ト上で実行される場合、rtadvd(8) で記述されているように、通知中の
             全インタフェース上で、この値を明示的に 0 に設定する必要がありま
             す。デフォルト値は、1800 です。

     rtime   (数値) 到達可能時間フィールドです (単位: ミリ秒)。デフォルト値
             は、0 であり、これは、このルータにより指定されないことを意味して
             います。

     retrans
             (数値) 再送タイマフィールドです。(単位: ミリ秒)。デフォルト値は、
             0 であり、これは、このルータにより指定されないことを意味していま
             す。

     以下は、ICMPv6 プレフィックス情報オプションに対する項目であり、ルータ通知
     ヘッダに付与されます。これらの項目は、省略可能であり、この場合には、
     rtadvd は、自動的に適切なプレフィックスをカーネルの経路表から取得して、こ
     のプレフィックスをデフォルトパラメータと共に通知します。複数のプレフィッ
     クスを指定するために ``prefix2'' のような数値で clockskewnoifprefix
     以外のキーワードを増加することができます。

     noifprefix
             (ブール値) 通知されるネットワークインタフェースでプレフィックスを
             指定しません。デフォルトで、rtadvd は、ネットワークインタフェース
             のすべてからリンク中のプレフィックスを自動的に集め、それらに通知
             します。noifprefix は、その振る舞いを無効にします。これが指定さ
             れ、addr キーワードが指定されないなら、プレフィックス情報オプショ
             ンは、メッセージに含まれません。

     clockskew
             (数値) リンク伝播遅延を調整するためのスキューであり、リンク上の
             ルータ間のクロックスキュー (単位: 秒)。この値は、ローカルに設定さ
             れたプレフィックスの有効期間と通知されたプレフィックスの有効期間
             との無矛盾性の確認に使用されます。この値が意味を持つのは、ローカ
             ルルータが、リンク上のプレフィックスを、実時間で減少する有効期付
             きで設定するときです。値が 0 の場合、このようなプレフィックスに対
             する無矛盾性の確認は行われません。デフォルト値は、0 です。

     prefixlen
             (数値) プレフィックス長フィールドです。デフォルト値は、64 です。

     pinfoflags
             (文字列または数値) プレフィックス情報オプション中の 8 ビットフラ
             グフィールドです。このフィールドは、大文字小文字を区別する文字列
             か、整数のいずれかで指定可能です。文字列は、各文字が特定のフラグ
             ビットに対応する文字で構成されます。整数は、有効ビットの論理 OR
             から成ります。7 ビット目 ('l' か 0x80) は、オンリンクフラグビット
             です。そして 6 ビット目 ('a' か 0x40) は、自律アドレス設定フラグ
             ビットです。デフォルト値は、"la" か 0xc0 であり、すなわち両方の
             ビットが設定されています。

     addr    (文字列) プレフィックスフィールドに埋められるアドレスです。
             termcap(5) ファイルフォーマットで、IPv6 数値アドレスと同様に
             ``:'' が使われているために、フィールドは、ダブルクォート文字に
             よってクォートされなければなりません。

     vltime  (数値) 正当な有効期間フィールドです (単位: 秒)。デフォルト値は、
             2592000 (30 日) です。

     vltimedecr
             (ブール値) この項目は、通知された有効期間が実時間で減らされること
             を意味します。デフォルトで無効化されています。

     pltime  (数値) 推奨有効期間フィールドです (単位: 秒)。デフォルト値は、
             604800 (7 日) です。

     pltimedecr
             (ブール値) この項目は、通知された推奨有効期間が実時間で減らされる
             ことを意味します。デフォルトで無効化されています。

     以下は、ICMPv6 MTU に対する項目であり、ルータ通知ヘッダに付与されます。こ
     の項目は、省略可能であり、この場合には、rtadvd は、デフォルト値を使用しま
     す。

     mtu     (数値もしくは文字列) MTU (最大転送単位) フィールドです。0 が指定
             された場合には、オプションは、含まれません。デフォルト値は、0 で
             す。もしこの項目に特別な文字列 ``auto'' が指定された場合、MTU オ
             プションが含まれ、その値は、インタフェースの MTU に自動的に設定さ
             れます。

     以下は、ICMPv6 始点データリンク層アドレスオプションを制御するための項目で
     あり、ルータ通知ヘッダに付与されます。前述のように、この項目は、省略可能
     であり、この場合には、rtadvd は、デフォルト値を使用します。

     nolladdr
             (ブール値) デフォルトでは、(もし nolladdr が指定されない場合)、
             rtadvd(8) は、インタフェースに対するデータリンク層アドレスをカー
             ネルから取得しようと試み、それを始点データリンク層アドレスオプ
             ションに付与します。もしこのケーパビリティが存在する場合、
             rtadvd(8) は、ルータ通知パケットに、始点データリンク層アドレスオ
             プションを付与しません。

     以下は、ICMPv6 ホームエージェント情報オプションを制御するための項目であ
     り、モバイル IPv6 サポートで定義されています。このオプションは、他のオプ
     ション同様、ルータ通知ヘッダに付与されます。

     hapref  (数値) ホームエージェントの推奨を設定します。非 0 に設定する場
             合、hatime もまた存在する必要があります。

     hatime  (数値) ホームエージェントの有効期間を指定します。

     rtadvd(8) でモバイル IPv6 サポートを有効にすると、maxinterval を明示的に
     構成することにより、通知間隔オプションがルータ通知パケットに付加されま
     す。

     以下は、ICMPv6 経路情報オプションを制御するための項目であり、ルータ通知
     ヘッダに付与されます。これらの項目は、オプションです。各項目には、
     ``rtplen2'' のように数値を付加することが可能であり、これにより複数のルー
     タを指定可能です

     rtprefix
             (文字列) 経路情報オプション中の、プレフィックス欄に埋められるプレ
             フィックス。termcap(5) ファイルフォーマットで、IPv6 数値アドレス
             と同様に ``:'' が使われているために、フィールドは、ダブルクォート
             文字によってクォートされなければなりません。

     rtplen  (数値) 経路情報オプション中の、プレフィックス長。デフォルト値は、
             64 です。

     rtflags
             (文字列もしくは数値) 経路情報オプション中の、8 ビットフラグ欄。現
             在、推奨値のみが定義されています。表現方法は、raflags 欄と同じで
             す。ビット 4 (0x10) とビット 3 (0x08) が、経路の推奨度をコード化
             するために使用されます。デフォルト値は、0x00 であり、中間の推奨度
             の経路です。

     rtltime
             (数値) 経路情報オプション中の、経路の有効期間欄。(単位: 秒)。仕様
             では、この項目のデフォルト値を定義していませんので、この項目は、
             手動で指定する必要があります。一方、rtadvd は、この項目が未指定で
             あることを許し、その場合には、ルータの有効期限をデフォルト値とし
             て使用します。これは、古いバージョンのこのプログラムとの互換性の
             ためです。

     上記のリスト中では、``rt'' で開始するキーワードは、``rtr'' で開始するもの
     と交換できます。これは、後方互換性のためです。例えば、rtrplen は、rtplen
     の代りとして受け付けられます。しかしながら、``rtr'' で開始するキーワード
     は、基本的に廃れたものであるので、もはや使用すべきではありません。

     次の項目は、ルータ通知ヘッダにアタッチされる ICMPv6 Recursive DNS Server
     Option と DNS Search List Option (RFC 6106) のためのものです。これらの項
     目は、オプションです。

     rdnss   (文字列) 1 つ以上の再帰的な DNS サーバの IPv6 アドレス。引数は、
             二重引用符の内側でなければなりません。コンマで区切られた文字列で
             複数の DNS サーバを指定することできます。異なったサーバのための異
             なった生存期間が必要とされるなら、対応する rdnssltime,
             rdnssltime0, rdnssltime1, rdnssltime2 ... エントリで rdnss,
             rdnss0, rdnss1, rdnss2 ... オプションをを使用することによって、個
             別のエントリを与えることができます。サーバの最大数は、受信側に依
             存することに注意してください。また、FreeBSD のリゾルバ (resolver)
             の実装については、resolver(5) マニュアルページも参照してくださ
             い。

     rdnssltime
             rdnss DNS サーバのエントリの生存期間。デフォルト値は、インターバ
             ル時間の 3/2 です。

     dnssl   (文字列) コンマで区切られた文字列の 1 つ以上のドメイン名。これら
             のドメイン名は、完全な形でないドメイン名での DNS 問い合わせ (クエ
             リ) を行うとき、使用されます。異なったドメインのための異なった生
             存期間が必要とされるなら、対応する dnsslltime, dnsslltime0,
             dnsslltime1, dnsslltime2 ... エントリで dnssl, dnssl0, dnssl1,
             dnssl2 ... オプションをを使用することによって、個別のエントリを与
             えることができます。名前の最大数は、受信側に依存することに注意し
             てください。また、FreeBSD のリゾルバ (resolver) の実装について
             は、resolver(5) マニュアルページも参照してください。

     dnsslltime
             dnssl DNS 検索リストエントリの生存期間。デフォルト値は、インター
             バル時間の 3/2 です。

     また tc ケーパビリティを用いることで、他の行を参照することができます。こ
     のケーパビリティの詳細に関しては、termcap(5) を参照してください。

使用例
     前述のように、通知される全パラメータは、仕様で定義されるデフォルト値があ
     ります。よって、特別な非デフォルト値を使用したいので無い限りにおいては、
     手動で設定する必要はありません。誤った設定パラメータを使用すると、相互操
     作の問題が生じ得ます。

     設定パラメータを変えるには、パラメータだけを指定すれば良いです。次の設定
     では、rtadvd(8) は、ne0 インタフェースのルータ有効期間パラメータを変えま
     す。

           ne0:\
                   :rltime#0:

     次の例は、ef0 インタフェースから通知されるプレフィックスを手動で設定しま
     す。この設定は、-s オプション付きの rtadvd(8) で使用することが必要です。

           ef0:\
                   :addr="2001:db8:ffff:1000::":prefixlen#64:

     次の例は、wlan0 インタフェースを設定し、デフォルトのオプションの生存期間
     の値を使用して 2 つの DNS サーバと DNS ドメイン検索オプションを追加しま
     す。

           wlan0:\
                   :addr="2001:db8:ffff:1000::":prefixlen#64:\
                   :rdnss="2001:db8:ffff::10,2001:db8:ffff::2:43":\
                   :dnssl="example.com":

     次の例は、明示的な方法でデフォルト値を示しています。この設定は、単に参照
     のためだけに提供されています。あなた自身が設定する必要はまったくありませ
     ん。

           default:\
                   :chlim#64:raflags#0:rltime#1800:rtime#0:retrans#0:\
                   :pinfoflags="la":vltime#2592000:pltime#604800:mtu#0:
           ef0:\
                   :addr="2001:db8:ffff:1000::":prefixlen#64:tc=default:

関連項目
     resolver(5), termcap(5), rtadvd(8), rtsol(8)

     Thomas Narten, Erik Nordmark, W. A. Simpson, and Hesham Soliman, Neighbor
     Discovery for IP version 6 (IPv6), RFC 4861.

     Thomas Narten, Erik Nordmark, and W. A. Simpson, Neighbor Discovery for
     IP version 6 (IPv6), RFC 2461 (obsoleted by RFC 4861).

     Richard Draves, Default Router Preferences and More-Specific Routes,
     draft-ietf-ipngwg-router-selection-xx.txt.

     J. Jeong, S. Park, L. Beloeil, and S. Madanapalli, IPv6 Router
     Advertisement Options for DNS Configuration, RFC 6106.

歴史
     rtadvd(8) と設定ファイル rtadvd.conf は、WIDE Hydrangea IPv6 プロトコルス
     タックキットではじめて登場しました。

FreeBSD 11.4                     June 4, 2011                     FreeBSD 11.4

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