FreeBSD 日本語マニュアル検索 (jman/japropos/jwhatis)


日本語 man コマンド類 (ja-man-1.1j_5) と日本語 man ドキュメント (ja-man-doc-5.4 (5.4-RELEASE 用) など) をインストールすると、以下のような man コマンド閲覧、キーワード検索が コンソールからできるようになります。

4.11-RELEASE-K, 5.4-RELEASE-K, 5.5-RELEASE-K, 6.0-RELEASE-K から 6.4-RELEASE-K, 7.0-RELEASE-K から 7.4-RELEASE-K, 8.0-RELEASE-K から 8.4-RELEASE-K, 9.0-RELEASE-K から 9.3-RELEASE-K, 10.0-RELEASE-K から 10.3-RELEASE-K, 11.0-RELEASE-K から 11.4-RELEASE-K, 12.0-RELEASE-K, 12.1-RELEASE-K は、 プライベート版 (小金丸が編集してまとめたもの) ですが、 より多くの翻訳したファイルが含まれています。 (5.4-RELEASE-K から 6.4-RELEASE-K, 7.0-RELEASE-K から 7.4-RELEASE-K, 8.0-RELEASE-K から 8.4-RELEASE-K, 9.0-RELEASE-K から 9.3-RELEASE-K, 10.0-RELEASE-K から 10.3-RELEASE-K, 11.0-RELEASE-K から 11.4-RELEASE-K, 12.0-RELEASE-K から 12.4-RELEASE-K, 13.0-RELEASE-K から 13.3-RELEASE-K, 14.0-RELEASE-K から 14.1-RELEASE-K は、全翻訳済み)

13.3-STABLE-K, 15.0-CURRENT-K は現在、作成中で日々更新されています。



検索コマンド: man apropos whatis
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日本語マニュアル RELEASE :
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Table of Contents
名称 | 書式 | 解説 | デバイスドライバ | パラレルポートのチップセット | パラレルポートのモデル | IEEE1284-1994 規格 | アーキテクチャ | 特徴 | 関連項目 | 歴史 | 作者
PPBUS(4)           FreeBSD カーネルインタフェースマニュアル           PPBUS(4)

名称
     ppbus -- パラレルポートバスシステム

書式
     device ppbus

     device vpo

     device lpt
     device plip
     device ppi
     device pps
     device lpbb

解説
     ppbus システムは、様々なパラレルデバイスを制御し、異なったパラレルポート
     のチップセットを利用するドライバの実装のために、一様でモジュール化された
     アーキテクチャに依存しないシステムを提供しています。

デバイスドライバ
     新しいドライバを書くため、または既存のドライバを移植するために、ppbus シ
     ステムは、次の機能を提供しています:

           •   パラレルポートをアクセスするためのアーキテクチャに依存しないマ
               クロまたは関数

           •   様々なデバイスが同じパラレルポートを共有することができるメカニ
               ズム

           •   カーネル内のドライバと競合せずに、カーネルの外からパラレルポー
               トをアクセスすることができる ppi(4) と名前が付けられたユーザイ
               ンタフェース。

   新しいドライバの開発
     ppbus システムは、標準と非標準のソフトウェアの開発をサポートするように設
     計されています:

     ドライバ  説明
     vpo       VPI0 パラレルから Adaptec AIC-7110 SCSI コントローラドライバ
               それは、標準と非標準のパラレルポートアクセスを使用します。
     ppi       一般的な I/O のためのパラレルポートインタフェース
     pps       秒ごとのパルス (pulse per second) タイミングインタフェース
     lpbb      Philips 公式のパラレルポート I2C ビットバンギングインタフェース
               (訳注: ビットバンギング (bit-banging) についてはジャーゴンファ
               イルの bit bang を参照してください。)

   既存のドライバの移植
     ppbus システムへのもう一つのアプローチは、既存のドライバを移植することで
     す。様々なドライバが既に移植されています:

     ドライバ  説明
     lpt       lpt プリンタドライバ
     plip      lp パラレルネットワークインタフェースドライバ

     ppbus は、利用者に同様のサービスを提供する他のオペレーティングシステムか
     らでさえ他のあらゆるソフトウェアを移植できるはずです。

パラレルポートのチップセット
     パラレルポートのチップセットのサポートは、ppc(4) によって提供されていま
     す。

     ppbus システムは、新しいパラレルポートバスを割り付けるための関数とマクロ
     を提供していて、それと上位の周辺デバイスドライバを初期化します。

     ppc は、チップセットの検出と初期化を行ない、次に ppbus システムを初期化す
     るために ppbus アタッチ関数を呼び出します。

パラレルポートのモデル
     ppbus システムのために選ばれた論理的なパラレルポートのモデルは、PC のパラ
     レルポートのモデルです。このために、ppbus の i386 実装のために、ppc に
     よって提供されたサービスの大部分は、inb() と outb() 呼び出しのためのマク
     ロです。しかし、他のアーキテクチャに対して、論理レジスタ (データ、状態、
     制御...) の 1 つへのアクセスは、2 回以上の I/O アクセスを必要とします。

   解説
     パラレルポートは、次のモードで動作します:

           •   互換モード、セントロニクスモードとも呼ばれます

           •   双方向 8/4 ビットモード、ニブルモードとも呼ばれます

           •   バイトモード、PS/2 モードとも呼ばれます

           •   拡張ケーパビリティポート (Extended Capability Port) モード、ECP

           •   強化パラレルポート (Enhanced Parallel Port) モード、EPP

           •   ECP と EPP の混合モード、または ECP と PS/2 の混合モード

   互換モード
     このモードは、データをプリンタに転送するためのほとんどの PC によって使用
     されるプロトコルを定義しています。このモードで、データは、ポートのデータ
     線に置かれ、プリンタの状態がエラーがないかビジーでないことをチェックさ
     れ、次に、データストローブ (strobe) は、プリンタにデータを送る時間を計る
     ためのソフトウェアによって生成されます。

     多くの I/O コントローラは、互換モードのプロトコルでデータを転送するために
     FIFO バッファを使用するモードを実装しています。このモードは、"高速セント
     ロニクス" または "パラレルポート FIFO モード" と呼ばれます。

   双方向モード
     ニブル (NIBBLE) モードは、プリンタまたは周辺機器から逆方向のチャネルデー
     タを取得するための最も一般的な方法です。プリンタモードと標準のホストを組
     み合わせて、完全な双方向のチャネルを提供しています。

     このモードで、出力は、8 ビット長です。入力は、ステータスレジスタの 8 ビッ
     トのうち 4 ビットを読み込むことによって達成されます。

   バイトモード
     このモードで、データレジスタは、出力と入力のいずれにも使用されます。その
     結果、あらゆる転送は、8 ビット長です。

   拡張ケーパビリティポート (Extended Capability Port) モード
     ECP プロトコルは、プリンタとスキャナタイプ周辺機器との通信のための高度な
     モードとして提案されました。EPP プロトコルのように、ECP モードは、ホスト
     アダプタと周辺機器との間の高性能な双方向の通信路を提供しています。

     ECP プロトコルの機能は、次を含みます:

           ホストアダプタのための Run_Length_Encoding (RLE) データ圧縮。

           順方向と逆方向のチャネルのための FIFO。

           ホストレジスタのインタフェースのためにプログラムされた I/O と同様の
           DMA。

   強化パラレルポート (Enhanced Parallel Port) モード
     EPP プロトコルは、始めに標準のパラレルポートと互換性がある高性能パラレル
     ポートリンクを提供する手段として開発されました。

     EPP モードには、次の 2 つのタイプのサイクルがあります: アドレスとデータ。
     ハードウェアレベルで効果があるものは、データ線に置かれたバイトのストロー
     ブ (strobe) です。データは、nAutofeed でストローブされ、アドレスは、nSe
     lectin シグナルでストローブされます。

     EPP プロトコルの ISA 実装の特殊は、EPP サイクルが ISA サイクルに適合する
     ことです。このやり方で、パラレルポートの周辺機器は、同等な ISA フラグイン
     カードと同じ性能レベルに近く動作することができます。

     ソフトウェアレベルで、利用者は、データと望んでいるアドレスサイクルを使用
     して、希望のプロトコルを実装することができます。これは、IEEE1284 互換のあ
     る部分のためです。次に、周辺機器の業者は、次の状態線でプロトコルハンド
     シェイクを実装できます: PError、nFault と Select。これらの行は、周辺機器
     がより多くのデータを要求し、転送を停止するなどができる、利用者の周辺機器
     で、どのようにそれらの線を切り換えられるかを把握してください。

     いつでも、周辺機器は、現在の転送を邪魔しないで、nAck シグナルでホストを割
     り込むことができます。

   混合モード
     SMC のように、いくつかの製造業者は、混合モードをサポートするチップセット
     を実装しています。そのようなチップセットで、モードを切り換えることは、拡
     張制御レジスタをアクセスすることによって、いつでもを利用可能です。

IEEE1284-1994 規格
   背景
     また、この規格は、"IEEE Standard Signaling Method for a Bidirectional
     Parallel Peripheral Interface for Personal Computers" (パーソナルコン
     ピュータのための双方向パラレル周辺機器インタフェースの IEEE 標準シグナル
     方式) と名前が付けられています。それは、ホストとプリンタまたは他の周辺機
     器との間の非同期、完全なインターロック、双方向のパラレル通信のためのシグ
     ナル方式を規定しています。また、それは、周辺機器の識別文字列のための形式
     と、双方向のデータストリームの外側のホストに、この文字列を返す方法も規定
     しています。

     この標準は、アーキテクチャに依存しない、シグナルレベルでの対話ハンドシェ
     イクのみを明記しています。マシン依存のレジスタ、マップされたメモリ、また
     は、これらのシグナルを制御する他の方法を操作するためにアーキテクチャ特有
     の文書を参照するべきです。

     IEEE1284 プロトコルは、サポートされたすべてのパラレルポートモードで完全に
     適合します。コンピュータは、マスタとして、周辺機器は、スレーブとして動作
     します。

     あらゆる転送は、有限状態オートマトンとして定義されます。ソフトウェアは、
     完全にインターロックされているシグナル方式のスキームを適切に管理すること
     ができます。互換モードは、互換性があるので、あらゆるネゴシエーションなし
     で "そのまま" サポートされます。他のモードは、周辺機器によってサポートさ
     れるかチェックするために、そして、フォワードアイドル状態の 1 つに入るため
     に、ホストによって最初にネゴシエーションされなければなりません。

     いつでも、スレーブは、データをホストに送ってもかまいません。これは、フォ
     ワードアイドル状態 (ニブル、バイト、ecp...) からのみ可能です。それで、ホ
     ストは、転送要求する周辺機器を許可するために、前もってネゴシエーションを
     行なわなければなりません。割り込み線は、ポーリング方式を消費する時間を防
     ぐために要求するシグナルに専用となります。

     しかし、周辺機器の要求は、マスタホストへのヒントのみです。ホストが転送を
     受け付けるなら、最初に逆方向モードをネゴシエートしなければならず、次に、
     転送を開始します。逆方向の転送の間はいつでも、ホストは、転送を終了する
     か、またはスレーブは、それ以上のデータが利用可能でないシグナルを発生する
     線をドライブします。

   実装
     IEEE1284 標準のサポートは、標準の低レベルの特性で利用者を困らせないあらゆ
     るモードで、ネゴシエーション、終了、転送のような高レベル機能を実行する 1
     組の手続きとして、ppbus システムの先頭に実装されていました。

     IEEE1284 は、ほんの少し ppbus システムと情報をやりとりします。ネゴシエー
     ト機能は、利用者のために、アクセスを行わず、利用者が、それにアクセスした
     いとき、まだ ppbus を要求しなければならないことを意味します。そして、当
     然、後でそれを解放します。

アーキテクチャ
   アダプタ、ppbus とデバイスレイヤ (層)
     最初に、ppbus システムの最下層である、アダプタレイヤ (層) があります。基
     本的なハードウェアに論理モデルをマップする、1 組の低レベルの関数に投影す
     るチップセットの抽象化を提供しています。

     次に、次の機能を提供する ppbus レイヤ (層) があります:

           1.   接続されたデバイスのようなデイジーチェーンの間でパラレルポート
                のバスを共有します

           2.   ppbus にリンクされたデバイスを管理します

           3.   ハードウェアレイヤ (層) にアクセスするアーキテクチャに依存しな
                いインタフェースを提案します

     最後に、デバイスレイヤ (層) は、パラレル周辺機器デバイスドライバを集めま
     す。

   パラレルモード管理
     様々な ppbus システムレイヤ (層) で動作モードを区別しなければなりません。
     実際に、ppbus とアダプタの動作モードそれぞれに対して、現在のモードと利用
     可能なモードは、分かれています。

     この抽象化のレベルで、特別のチップセットは、上位レイヤ (層) を阻害するこ
     となしで、任意のネイティブモードから拡張モードでエミュレートされる任意の
     他のモードに切り替えることができます。例えば、ほとんどのチップセットは、
     もともとニブル (NIBBLE) モードをサポートし、ECP および EPP モードをエミュ
     レートします。

     このアーキテクチャは、IEEE1284-1994 モードをサポートするべきです。

特徴
   ブートプロセス
     ブートプロセスは、ISA バス (PC アーキテクチャ) の初期化の間に、ppc(4) ド
     ライバのプローブステージで始まります。ppc ドライバのアタッチの間に、新し
     い ppbus 構造体が割り付けられ、次に、この新しいバスノードのためのプローブ
     とアタッチが呼び出されます。

     ppbus のアタッチは、((c)1993-4 Microsoft Corporation の Plug and Play
     Parallel Port Devices ドラフトに従って) 任意の PnP パラレル周辺機器を検出
     することを試み、次に、プローブし、既知のデバイスドライバをアタッチしま
     す。

     プローブの間に、デバイスドライバは、ppbus に要求し、それらの動作モードを
     設定しようと試みることになっています。このモードは、コンテキスト構造に保
     存され、ドライバが ppbus に要求するたびに返されます。

   バスの割り付けと割り込み
     ppbus の割り付けは、他のデバイスの I/O を崩壊しないことは必須です。ppbus
     の割り付けの別の使用法は、ポートを予約して、着信割り込みを受け付けること
     です。

     高レベルの割り込みハンドラは、newbus BUS_SETUP_INTR() と
     BUS_TEARDOWN_INTR() 関数の結果 ppbus システムに接続されます。しかし、ハン
     ドラをアタッチするために、ドライバは、バスを所有しなければなりません。そ
     の結果として、ppbus 要求は、上記の関数を呼び出すことは必須です (詳細につ
     いては、既存のドライバを参照してください)。ppbus が解放されるとき、割り込
     みハンドラは、自動的に解放されることに注意してください。

   マイクロシーケンス
     マイクロシーケンスは、パラレルポートの高速で低レベルの操作を許可する汎用
     のメカニズムです。マイクロシーケンスは、(IEEE1284 モードで) 標準の転送、
     または標準でない転送のいずれにも使用されます。マイクロシーケンスの考え方
     は、ppbus レイヤ (層) のオーバヘッドを回避して、アダプタレベルで大部分の
     ジョブを行うことです。

     マイクロシーケンスは、オペコードとパラメータの配列です。各オペコードは、
     操作をコード化します (オペコードは、microseq(9) に説明されています)。標準
     の I/O 操作は、ppbus レベルで実装されていますが、基本的な I/O 操作と
     microseq 言語は、効率のためにアダプタレベルでコード化されています。

     例として、vpo(4) ドライバは、次を実装するためにマイクロシーケンスを使用し
     ます:

           •   ニブル (NIBBLE) 転送モードの変更されたバージョン

           •   周辺機器を初期化し、選択し、割り付ける様々な I/O シーケンス

関連項目
     lpt(4), plip(4), ppc(4), ppi(4), vpo(4)

歴史
     ppbus マニュアルページは、FreeBSD 3.0 ではじめて登場しました。

作者
     このマニュアルページは、Nicolas Souchu によって書かれました。

FreeBSD 11.4                     March 1, 1998                    FreeBSD 11.4

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