FreeBSD 日本語マニュアル検索 (jman/japropos/jwhatis)


日本語 man コマンド類 (ja-man-1.1j_5) と日本語 man ドキュメント (ja-man-doc-5.4 (5.4-RELEASE 用) など) をインストールすると、以下のような man コマンド閲覧、キーワード検索が コンソールからできるようになります。

4.11-RELEASE-K, 5.4-RELEASE-K, 5.5-RELEASE-K, 6.0-RELEASE-K から 6.4-RELEASE-K, 7.0-RELEASE-K から 7.4-RELEASE-K, 8.0-RELEASE-K から 8.4-RELEASE-K, 9.0-RELEASE-K から 9.3-RELEASE-K, 10.0-RELEASE-K から 10.3-RELEASE-K, 11.0-RELEASE-K から 11.4-RELEASE-K, 12.0-RELEASE-K, 12.1-RELEASE-K は、 プライベート版 (小金丸が編集してまとめたもの) ですが、 より多くの翻訳したファイルが含まれています。 (5.4-RELEASE-K から 6.4-RELEASE-K, 7.0-RELEASE-K から 7.4-RELEASE-K, 8.0-RELEASE-K から 8.4-RELEASE-K, 9.0-RELEASE-K から 9.3-RELEASE-K, 10.0-RELEASE-K から 10.3-RELEASE-K, 11.0-RELEASE-K から 11.4-RELEASE-K, 12.0-RELEASE-K から 12.4-RELEASE-K, 13.0-RELEASE-K から 13.3-RELEASE-K, 14.0-RELEASE-K から 14.1-RELEASE-K は、全翻訳済み)

13.3-STABLE-K, 15.0-CURRENT-K は現在、作成中で日々更新されています。



検索コマンド: man apropos whatis
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名称 | 書式 | 解説 | 重複パケットと損傷パケット | 異なったデータパターンの試行 | 終了ステータス | 使用例 | 関連項目 | 歴史 | バグ
PING6(8)               FreeBSD システム管理者マニュアル               PING6(8)

名称
     ping6 -- ネットワークホストへの ICMPv6 ECHO_REQUEST パケット

書式
     ping6 [-DdfHmnNoqrRtvwW] [-a addrtype] [-b bufsiz] [-c count]
           [-g gateway] [-h hoplimit] [-I interface] [-i wait] [-x waittime]
           [-X timeout] [-l preload] [-P policy] [-p pattern] [-S sourceaddr]
           [-s packetsize] [hops ...] host

解説
     ping6 ユーティリティは、ホストまたはゲートウェイ (gateway) から
     ICMP6_ECHO_REPLY を引き出すために ICMPv6 プロトコルの強制的な
     ICMP6_ECHO_REQUEST データグラムを使用します。ICMP6_ECHO_REQUEST データグ
     ラム (``ping'') には、IPv6 ヘッダと RFC2463 で文書化されている形式の
     ICMPv6 ヘッダがあります。オプションは、次の通りです:

     -a addrtype
             エコー要求 (echo-request) ではなく、ICMPv6 ノード情報ノードアドレ
             ス (ICMPv6 Node Information Node Addresses) 問い合わせを生成しま
             す。addrtype は、次の文字から構成された文字列でなければなりませ
             ん。
             a       応答側のインタフェースのすべてからユニキャストアドレスを
                     要求します。文字が省略されるなら、応答側のアドレスがある
                     インタフェースに属するアドレスだけが要求されます。
             c       応答側の IPv4 互換のアドレスと IPv4 マップされたアドレス
                     を要求します。
             g       応答側のグローバルスコープ (global-scope) アドレスを要求
                     します。
             s       応答側のサイトローカル (site-local) アドレスを要求しま
                     す。
             l       応答側のリンクローカル (link-local) アドレスを要求しま
                     す。
             A       応答側のエニーキャスト (anycast) アドレスを要求します。こ
                     の文字がなければ、応答側は、ユニキャスト (unicast) アドレ
                     スだけを返します。この文字があれば、応答側は、エニーキャ
                     スト (anycast) アドレスだけを返します。仕様は、応答側のエ
                     ニーキャスト (anycast) アドレスを取得する方法を指定しない
                     ことに注意してください。これは、実験的なオプションです。

     -b bufsiz
             ソケットのバッファサイズを設定します。

     -c count
             count 個の ECHO_RESPONSE パケットを送信した (受信した) 後に停止し
             ます。

     -D      IPv6 の断片化を無効にします。

     -d      使用されているソケットで SO_DEBUG オプションを設定します。

     -f      ping をはんらんさせます。パケットが戻るとすぐにか、または毎秒 100
             回のどちらか多いほうでパケットを出力します。ECHO_REQUEST を送信す
             るたびに、ピリオド ``.'' が印刷 (表示) され、一方、ECHO_REPLY が
             受信されるたびに、バックスペースが印刷 (表示) されます。これは、
             どれだけのパケットが落とされているかの迅速な表示を提供していま
             す。スーパユーザだけが、このオプションを使用できます。これは、
             ネットワークを非常に酷使しするかもしれず、注意して使用されるべき
             です。

     -g gateway
             宛先への次の中継点として gateway を使用するように指定します。ゲー
             トウェイは、送信ノードの隣でなければなりません。

     -H      IPv6 アドレスの逆引きを試みるように指定します。ping6 ユーティリ
             ティは、オプションが指定されていなければ、逆引きを試みません。

     -h hoplimit
             IPv6 の中継限界数を設定します。

     -I interface
             与えられたインタフェースアドレスがある発信元パケット。このフラグ
             は、ping の宛先がマルチキャストアドレスか、またはリンクローカル/
             サイトローカルのユニキャストアドレスであるなら、適用します。

     -i wait
             各パケットを送信している間に wait 秒待ち (ウェートし) ます。デ
             フォルトは、各パケット間に 1 秒待つことです。このオプションは、-f
             オプションと互換性がありません。

     -x waittime
             送信された各パケットのための応答を待つミリ秒単位の時間。応答が後
             で到着するなら、パケットは、返答したように、印刷 (表示) されませ
             んが、統計を計算するとき、返答したと見なされます。

     -X timeout
             どれだけのパケットが受信されたかにかかわらず、ping が終了する前
             に、秒単位でタイムアウトを指定します。

     -l preload
             preload が指定されるなら、ping6 は、通常のモードの振る舞いになる
             前に、多くのパケットをできるだけ速く送信します。スーパユーザだけ
             が、このオプションを使用できます。

     -m      デフォルトで、ping6 は、最小の IPv6 MTU に適合するようにパケット
             を断片化するようにカーネルに依頼します。-m オプションは、次の 2
             つのレベルの振る舞いを抑制します: オプションが 1 度指定されると
             き、振る舞いは、ユニキャストパケットに対して無効にされます。オプ
             ションが 2 度以上指定されるとき、ユニキャストとマルチキャストパ
             ケットの両方に対して無効にされます。

     -n      数値の出力のみです。応答中のアドレスからシンボリック名を検索する
             試みは行われません。

     -N      ノード情報マルチキャストグループアドレス (ff02::2:ffxx:xxxx) をプ
             ローブします。host は、ターゲットの文字列のホスト名でなければなり
             ません (数値の IPv6 アドレスであってはなりません)。ノード情報のマ
             ルチキャストグループは、与えられた host に基づいて計算され、最後
             の宛先として使用されます。ノード情報のマルチキャストグループは、
             リンクローカルのマルチキャストグループであるので、発信インタ
             フェースは、-I オプションによって指定される必要があります。

             2 度指定されたとき、アドレス (ff02::2:xxxx:xxxx) が代わりに使用さ
             れます。前者は、RFC 4620 にあり、後者は、古いインターネットドラフ
             ト draft-ietf-ipngwg-icmp-name-lookup にあります。FreeBSD を含む
             KAME 派生の実装は、後者を使用することに注意してください。

     -o      1 つの応答パケットを受信した後に、成功して終了します。

     -p pattern
             送信するパケットを書き込むために最大 16 の ``pad'' バイトを指定で
             きます。これは、ネットワーク中のデータ依存の問題を診断するために
             役に立ちます。例えば、``-p ff'' によって、送信されたパケットは、
             すべて 1 で満たされます。

     -P policy
             policy は、プローブのために使用される IPsec ポリシを指定します。

     -q      静かな出力。開始時と終了するとき、要約の行を除いて、何も表示され
             ません。

     -r      聞こえるようにする。任意のパケットが受信されたとき、出力にベル
             (ASCII 0x07) 文字を含めます。

     -R      聞こえるようにする。次のパケットが転送される前に、何もパケットが
             受信されないとき、ベル (ASCII 0x07) 文字を出力します。転送の間の
             インターバルより長いラウンドトリップ (往復) 時間の要求を満たすた
             めに、受信されなかったパケットの最大数が増加した場合にだけ、さら
             に失われたパケットによって、ベルを鳴らします。

     -S sourceaddr
             要求パケットの発信元アドレスを指定します。発信元アドレスは、送信
             ノードのユニキャストアドレスの 1 つで、数値でなければなりません、

     -s packetsize
             送信されるデータのバイト数を指定します。デフォルトは、ICMP ヘッダ
             データの 8 バイトを組み合わせるとき、64 の ICMP データバイトに変
             換される、56 です。なお、ソケットのバッファサイズを拡張するために
             -b を指定する必要があります。

     -t      エコー要求 (echo-request) ではなく、サポートされた問い合わせタイ
             プを問い合わせる、ICMPv6 ノード情報 (ICMPv6 Node Information) を
             生成します。-s は、-t が指定されるなら、効果がありません。

     -v      冗長な出力。受信される ECHO_RESPONSE 以外の ICMP パケットがリスト
             されます。

     -w      エコー要求 (echo-request) ではなく、ICMPv6 ノード情報 DNS 名
             (ICMPv6 Node Information DNS Name) 問い合わせを生成します。-s
             は、-w が指定されるなら、効果がありません。

     -W      -w と同様ですが、03 のドラフトに基づいた古いパケット形式を生成し
             ます。このオプションは、後方互換性のために存在します。-s は、-w
             が指定されるなら、効果がありません。

     hops    タイプ 0 の経路制御ヘッダに入れられる、中間のノードのための IPv6
             アドレス。

     host    最終宛先ノードの IPv6 アドレス。

     障害を分離するために ping6 を使用するとき、ローカルネットワークインタ
     フェースが起動され、実行中であることを確認するために、最初にローカルホス
     トで実行されるべきです。次に、さらに遠くのホストとゲートウェイが、
     ``ping'' されるべきです。往復 (round-trip) 時間とパケット損失の統計値が計
     算されます。重複したパケットが受信されるなら、それらは、パケット損失の計
     算に含まれていませんが、これらのパケットの往復 (round-trip) 時間は、往復
     時間の統計値を計算するために使用されます。パケットの指定された数が送信さ
     れ (受信され) るとき、または、プログラムが SIGINT で終了するなら、送信さ
     れたパッケットと受信されたパケットの数と往復 (round-trip) 時間の最小、平
     均、最大と標準偏差を表示して、概要が、表示されます。

     ping6 が SIGINFO (stty(1) のための status 因数を参照) シグナルを受け取る
     なら、現在送信され受信されたパケットの数、往復 (round-trip) 時間の最小、
     平均、最大と標準偏差は、標準の完了メッセージと同じ形式で標準出力に書き込
     まれます。

     このプログラムは、ネットワークのテスト、測定と管理で使用するためです。
     ネットワークに負荷をかえるかもしれないので、通常動作の間、または自動スク
     リプトから ping6 を使用することは賢明ではありません。

重複パケットと損傷パケット
     ping6 ユーティリティは、重複パケットと損傷パケットを報告します。重複パ
     ケットは、ユニキャストアドレスを ping するとき、決して生じるはずではあり
     ませんし、不適切なリンクレベルの再送信によって引き起こされるように思われ
     るはずです。重複は、多くの状況で生じるかもしれないし、(あるとしても) よい
     兆候であったためしはありませんが、低レベルの重複の存在は、常に警告の原因
     となるとは限りません。パケットは、実際に重複ではないが、異なるホストから
     同じ要求を応答するので、ブロードキャスト (同報通信) またはマルチキャスト
     アドレスを ping するとき、複写が予想されます。

     損傷パケットは、明らかに警告を引き起こす重大な原因であり、(ネットワークま
     たはホスト中の) ping6 パケットのパスのどこかの故障したハードウェアをしば
     しばに示します。

異なったデータパターンの試行
     インターネット (ネットワーク間) のレイヤ (層) は、データ部分に含まれてい
     るデータによって異なるパケットを扱うべきではありません。残念なことに、
     データ依存の問題は、ネットワークに潜入し、長い間、検出されないままとなる
     ことが知られています。多くの場合、問題がある特別のパターンは、すべて 1 ま
     たはすべて 0 のような、または右端のパターン、ほとんとすべて 0 のような、
     十分な ``transitions'' (遷移) がないようなものです。興味深いパターンが
     データリンクレベルにあり、タイプするものと、コントローラが送信するものと
     間の関係は、複雑であるかもしれないので、コマンド行で (例えば) すべて 0 の
     データパターンを指定する必要は全くありません。

     これは、データ依存の問題があるなら、たぶん、それを見つけるために多くのテ
     ストを行わなければならないことを意味します。運が良いなら、ネットワークを
     越えて送信することができないか、または他の同様の長さのファイルより転送す
     ることがはるかに長くかかる、ファイルを見つけてしまうかもしれません。次
     に、ping6-p オプションを使用してテストすることができる、繰り返された
     パターンに対して、このファイルを検査することができます。

終了ステータス
     ping6 ユーティリティは、成功すれば (ホストが動作している) 0 を返し、転送
     が成功したが、応答を受信しなかったなら、2 を返し、引数が不正確であるか、
     または別のエラーが発生したなら、他の 0 以外の値を返します。

使用例
     通常、ping6 は、ちょうど ping(8) が動作するように動作します。つぎは、
     dst.foo.com に ICMPv6 エコー要求を送信します。

           ping6 -n dst.foo.com

     次は、wi0 インタフェースにアタッチされたネットワークリンクですべてのノー
     ドのためのホスト名をプローブします。アドレス ff02::1 は、リンクローカルの
     すべてのノードのマルチキャストアドレスを指定し、パケットは、ネットワーク
     リンクですべてのノードに到達します。

           ping6 -w ff02::1%wi0

     次は、宛先ノード dst.foo.com に割り当てられたアドレスをプローブします。

           ping6 -a agl dst.foo.com

関連項目
     netstat(1), icmp6(4), inet6(4), ip6(4), ifconfig(8), ping(8), routed(8),
     traceroute(8), traceroute6(8)

     A. Conta and S. Deering, Internet Control Message Protocol (ICMPv6) for
     the Internet Protocol Version 6 (IPv6) Specification, RFC2463, December
     1998.

     Matt Crawford, IPv6 Node Information Queries, draft-ietf-ipngwg-icmp
     name-lookups-09.txt, May 2002, work in progress material.

歴史
     ping(8) ユーティリティは、4.3BSD で登場しました。IPv6 をサポートする
     ping6 ユーティリティは、WIDE Hydrangea IPv6 プロトコルスタックキットでは
     じめて登場しました。

     KAME Project (http://www.kame.net/) スタックに基づいている IPv6 と IPsec
     のサポートは、FreeBSD 4.0 ではじめて統合されました。

バグ
     ping6 ユーティリティは、ping(8) と故意に分離されています。

     なぜ ping6ping(8) を分離するかに関して多くの議論がありました。一部の
     人々は、IPv4 と IPv6 の両方のための ping コマンドをそろえるほうが便利だろ
     うと主張しました。次は、要求への答えです。

     開発者の視点からは: 基本的な生のソケット API は、IPv4 と IPv6 の間で全く
     異なるので、結局 2 つのタイプのコードベースを持つことになりました。開発者
     の観点から 2 つのコマンドを単一のコマンドにそろえるための利益は、実際にあ
     りません。

     オペレータの視点からは: リモートログインのツールのような通常のネットワー
     クアプリケーションと異なり、ネットワーク管理ツールを使用するとき、通常ア
     ドレスファミリを承知しています。ただホストへの到達可能性を知りたいわけで
     はなく、IPv6 のような特別のネットワークプロトコルを通してホストへの到達可
     能性を知りたい。したがって、たとえ IPv4 と IPv6 の両方のためのそろえられ
     た ping(8) コマンドがあっても、特別のアドレスファミリを指定するために -6
     または -4 オプション (または、それらのようなもの) を通常タイプするでしょ
     う。これは、2 つの異なるコマンドがあることを本質的に意味します。

FreeBSD 11.4                  September 22, 2014                  FreeBSD 11.4

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