FreeBSD 日本語マニュアル検索 (jman/japropos/jwhatis)


日本語 man コマンド類 (ja-man-1.1j_5) と日本語 man ドキュメント (ja-man-doc-5.4 (5.4-RELEASE 用) など) をインストールすると、以下のような man コマンド閲覧、キーワード検索が コンソールからできるようになります。

4.11-RELEASE-K, 5.4-RELEASE-K, 5.5-RELEASE-K, 6.0-RELEASE-K から 6.4-RELEASE-K, 7.0-RELEASE-K から 7.4-RELEASE-K, 8.0-RELEASE-K から 8.4-RELEASE-K, 9.0-RELEASE-K から 9.3-RELEASE-K, 10.0-RELEASE-K から 10.3-RELEASE-K, 11.0-RELEASE-K から 11.4-RELEASE-K, 12.0-RELEASE-K, 12.1-RELEASE-K は、 プライベート版 (小金丸が編集してまとめたもの) ですが、 より多くの翻訳したファイルが含まれています。 (5.4-RELEASE-K から 6.4-RELEASE-K, 7.0-RELEASE-K から 7.4-RELEASE-K, 8.0-RELEASE-K から 8.4-RELEASE-K, 9.0-RELEASE-K から 9.3-RELEASE-K, 10.0-RELEASE-K から 10.3-RELEASE-K, 11.0-RELEASE-K から 11.4-RELEASE-K, 12.0-RELEASE-K から 12.4-RELEASE-K, 13.0-RELEASE-K から 13.3-RELEASE-K, 14.0-RELEASE-K から 14.1-RELEASE-K は、全翻訳済み)

13.3-STABLE-K, 15.0-CURRENT-K は現在、作成中で日々更新されています。



検索コマンド: man apropos whatis
コマンド/キーワード:
日本語マニュアル RELEASE :
セクション:
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名称 | 書式 | 解説 | 構文 | 終了ステータス | 規格 | 作者
M4(1)                   FreeBSD 一般コマンドマニュアル                   M4(1)

名称
     m4 -- マクロ言語プロセッサ

書式
     m4 [-EgPs] [-Dname[=value]] [-d flags] [-I dirname] [-o filename]
        [-t macro] [-Uname] [file ...]

解説
     m4 ユーティリティは、あらゆる言語 (例えば、C、ratfor、fortran、lex と
     yacc) のフロントエンドとして使用することができるマクロプロセッサです。入
     力ファイルが与えられないなら、m4 は、標準入力から読み込み、そうでなけれ
     ば、コマンド行で指定されたファイルは、与えられた順序で処理されます。入力
     ファイルは、m4 のファイルが、パスまたは標準入力を意味する単一のダッシュ
     (`-') を含んでいる通常ファイルを指定できます。m4 は、他の方法で指定されな
     ければ、標準出力に処理されたテキストを書き込みます。

     マクロの呼び出しは、name(argument1[, argument2, ..., argumentN]) の形式で
     す。

     マクロ名と開き括弧 (`(') に空白が続いてはいけません。マクロ名に開き括弧が
     続かないなら、それは、引数なしとして処理されます。

     マクロ名は、先導する英字または下線から成り、英数字または下線文字が続きま
     す、例えば、有効なマクロ名は、パターン ``[a-zA-Z_][a-zA-Z0-9_]*'' にマッ
     チします。

     マクロへの引数において、先導する引用されていない空白、タブと改行 (`\n')
     文字は、無視されます。文字列を引用するために、左と右のシングルクォート、
     (例えば、` this is a string with a leading space') を使用します。
     changequote 組み込みマクロで引用文字を変更することができます。

     ほとんどの組み込みマクロは、引数なしでは意味をなさず、したがって、開き括
     弧が続かないとき、特別のものとして認識されません。

     オプションは、次の通りです:

     -Dname[=value]
             ある値 (または NULL) を持つためにシンボル name を定義します。

     -d flags
             トレースフラグを設定します。flags は、次を保持します:

             a       マクロの引数を印刷します。

             c       いくつかの行に渡ってマクロの展開を印刷します。

             e       マクロの展開の結果を印刷します。

             f       ファイル名の位置を印刷します。

             l       行番号を印刷します。

             q       現在の引用で引数と拡張を引用します。

             t       すべてのマクロをトレースするようにして開始します。

             x       マクロの展開に番号付けをします。

             V       すべてのオプションをオンにします。

             デフォルトで、トレースは、"eq" に設定されます。

     -E      警告を致命的であると設定します。単一の -E フラグが指定されると
             き、警告が発行されるなら、実行は、継続しますが、m4 は、0 以外のの
             終了ステータスで終了します。複数の -E フラグが、指定されるとき、
             実行は、最初の警告を発行した時点で、停止し、m4 は、0 以外の終了ス
             テータスで終了します。この振る舞いは、GNU-m4 1.4.9 以降に一致して
             います。

     -g      GNU-m4 互換モードを有効にします。このモードで、translit は、単一
             の文字範囲 (例えば、a-z) を扱い、正規表現は、emacs 振る舞いを模倣
             し、複数の m4wrap 呼び出しは、スタックとして扱われ、転換 (diver
             sion) の数は、無制限で、マクロ定義のための空の名前が許可され、
             eval は、`0rbase:value' を理解します。

     -I dirname
             インクルードパスにディレクトリ dirname を追加します。

     -o filename
             filename にトレース出力を送ります。

     -P      すべての組み込みマクロの前に `m4_' を付けます。例えば、define と
             記述する代わりに m4_define を使用します。

     -s      cpp(1) に適している、行同期デイレクティブをに出力します。

     -t macro
             macro に対してトレースをオンにします。

     -Uname  シンボル name を未定義とします。

構文
     m4 は、次の組み込みマクロを提供しています。それらは、本来の意味を失って、
     再定義することもできます。返り値は、特に指定のない限りヌル文字 (null) で
     す。

     builtin(name)
                  上書き可能な再定義される、その name で組み込みマクロを呼び出
                  します。

     changecom(startcomment, endcomment)
                  コメントの開始とコメントシーケンスの終りを変更します。コメン
                  トシーケンスは、長さ 5 文字以内です。デフォルト値は、ハッ
                  シュ記号 (#) と改行文字です。

                        # This is a comment

                  引数なしで、コメントは、オフにされます。1 つの単一引数で、終
                  りのコメントシーケンスは、改行文字に設定されます。

     changequote(beginquote, endquote)
                  開き引用と閉じ引用シーケンスを定義します。引用シーケンスは、
                  長さ 5 文字以内です。デフォルト値は、バッククォート文字 (`)
                  とクォート文字 (') です。

                        `Here is a quoted string'

                  引数なしで、デフォルトの引用が復旧されます。1 つの単一引数
                  で、閉じ引用シーケンスは、改行文字に設定されます。

     decr(arg)    引数 arg を 1 だけ減少させます。引数 arg は、有効な数値の文
                  字列でなければなりません。

     define(name, value)
                  最初の引数 name によって指定された新しいマクロを 2 番目の引
                  数 value を持つように定義します。それぞれ `$n' が現れると
                  (ここで、n は、0 から 9) それは、n 番目の引数によって置き換
                  えられます。`$0' は、呼び出されたマクロの名前です。未定義の
                  引数は、空の文字列で置き換えられます。`$#' は、引数の数で置
                  き換えられます。`$*' は、コンマで区切られたすべての引数で置
                  き換えられます。`$@' は、`$*' と同じですが、すべての引数は、
                  さらなる展開に対して引用されます。

     defn(name, ...)
                  各引数のために引用された定義を返します。マクロ定義 (組み込み
                  マクロさえ) の名前を変更するために、これを使用することができ
                  ます。

     divert(num)  (0 から 9 と番号が付けられた) 10 個の出力キューがあります。
                  m4 の処理の終わりで、最終の出力を作成するために番号順にすべ
                  てのキューを連結します。最初の出力キューは、0 です。divert
                  マクロによって、利用者は、新しい出力キュー (divert に不正な
                  引数を渡すと、出力は、廃棄されます) を選択することができま
                  す。

     divnum       現在の出力キュー番号を返します。

     dnl          次の改行を含んで終りまでの入力文字を廃棄します。

     dumpdef(name, ...)
                  指定された項目、または引数が渡されないなら、すべての名前と定
                  義を印刷します。

     errprint(msg)
                  標準エラー出力ストリームに最初の引数を印刷します。

     esyscmd(cmd)
                  最初の引数をシェルに渡し、シェルの標準出力を返します。シェル
                  は、その標準入力と標準エラーを m4 と共有することに注意してく
                  ださい。

     eval(expr[,radix[,minimum]])
                  32 ビットの算術を使用して、演算式として最初の引数を計算しま
                  す。演算子は、標準 C の 3 項演算子、算術演算子、論理演算子、
                  シフト演算子、関係演算子、ビット演算子と括弧演算子です。利用
                  者は、C のような  8 進数、10 進数と 16 進数を指定することが
                  できます。オプションの 2 番目の引数 radix は、結果のための基
                  数 (radix) を指定し、オプションの 3 番目の引数 minimum は、
                  結果の最小桁数を指定します。

     expr(expr)   これは、eval の別名です。

     format(formatstring, arg1, ...)
                  ある意味、printf(3) に似た arg1 と続く引数で置き換えられるエ
                  スケープシーケンスがある formatstring を返します。この組み込
                  みマクロは、GNU-m4 互換モードでのみ利用可能であり、実装され
                  たパラメータのみは、次の autoconf 互換のためにあります: 左の
                  パディングのフラグ、オプションのフィールドの幅、最大のフィー
                  ルドの幅、* 指定のフィールドの幅、そして %s と %c データタイ
                  プです。

     ifdef(name, yes, no)
                  最初の引数によって指定されたマクロが定義されているなら、2 番
                  目の引数を返し、そうでなければ、3 番目の引数を返します。3 番
                  目の引数がないなら、値は、NULL です。単語 "unix" は、あらか
                  じめ定義されています。

     ifelse(a, b, yes, ...)
                  最初の引数 a が 2 番目の引数 b にマッチするなら、ifelse()
                  は、3 番目の引数 yes を返します。マッチが失敗するなら、3 つ
                  の引数は、廃棄され、次の 3 つの引数は、0 または 1 つの引数が
                  残るまで、使用され、他のマッチが見つからなかったなら、この最
                  後の引数または NULL のいずれかが返されます。

     include(name)
                  最初の引数で指定されたファイルの内容を返します。いつものファ
                  イルが見つからないなら、次の include パスを調べます: ディレ
                  クトリのコロンで分離されたリストとして、最初に、コマンド行で
                  -I で指定されたディレクトリ、次に環境変数 M4PATH で指定され
                  たディレクトリ。include は、ファイルをインクルードできないな
                  ら、エラーメッセージで異常終了します。

     incr(arg)    引数を 1 だけ増加させます。引数は、有効な数値の文字列でなけ
                  ればなりません。

     index(string, substring)
                  最初の引数の 2 番目の引数のインデックス (例えば、index(the
                  quick brown fox jumped, fox) は、16 を返します) を返します。
                  2 番目の引数のインデックスが見つからないなら、-1 を返しま
                  す。

     indir(macro, arg1, ...)
                  名前が最初の引数として渡されるマクロを間接的に呼び出します。
                  残りの引数は、最初に引数として、次は 2 番目の引数として
                  ...。

     len(arg)     最初の引数の文字の数を返します。余分な引数は、無視されます。

     m4exit(code)
                  最初の引数によって指定された返り値 (引数がなければ、0) で直
                  ちに終了します、

     m4wrap(todo)
                  最終の EOF で起こることを定義することができます、通常、ク
                  リーンアップの目的 (例えば、m4wrap("cleanup(tempfile)") に
                  よって、マクロのクリーンアップは、他のすべての処理が終わった
                  後に呼び出されます)。

                  m4wrap() への複数の呼び出しは、最終の EOF の順に挿入されま
                  す。

     maketemp(template)
                  mkstemp と同様です。

     mkstemp(template)
                  最初の引数で mkstemp(3) を呼び出し、修正された文字列を返しま
                  す。ユニークな一時ファイル名を作成するために、これを使用する
                  ことができます。

     paste(file)  マクロの処理なしで最初の引数によって指定されたファイルの内容
                  をインクルードします。ファイルをインクルードすることができな
                  いなら、エラーメッセージで異常終了します。

     patsubst(string, regexp, replacement)
                  replacement 文字列で string 文字列の正規表現を置換します。通
                  常の置換パターンは、次を適用します: アンパサンド (`&') は、
                  正規表現とマッチする文字列と置き換えられます。文字列 `\#'、
                  (ここで `#' は、数字) は、対応する後方参照によって置き換えら
                  れます。

     popdef(arg, ...)
                  各引数の pushdef された定義を復旧します。

     pushdef(macro, def)
                  define と同じ引数を取りますが、popdef() によって後で検索され
                  るためにスタックに定義を保存します。

     regexp(string, regexp, replacement)
                  string 文字列で正規表現を見つけます。それ以上引数が与えられ
                  ないなら、最初のマッチした位置を返します、マッチしなければ、
                  -1 を返します。3 番目の引数が提供されるなら、置換されたサブ
                  パターンで replacement 文字列を返します。

     shift(arg1, ...)
                  最初の引数を除いて、すべてを返します、残りの引数は、中間のコ
                  ンマで引用され押し返されます。引用は、続いて行なわれる余分な
                  スキャンの影響を無効にします。

     sinclude(file)
                  あらゆるエラーを無視することを除いて、include と同様です。

     spaste(file)
                  あらゆるエラーを無視することを除いて、paste() と同様です。

     substr(string, offset, length)
                  2 番目の引数によって指定されたオフセットから始めて、3 番目の
                  引数によって指定された長さの部分文字列を返します。3 番目の引
                  数がが存在しないなら、文字列の残りを返します。

     syscmd(cmd)  最初の引数をシェルに渡します。何も返されません。

     sysval       最後の syscmd からの返り値を返します。

     traceon(arg, ...)
                  与えられた引数のためのマクロ展開のトレースを有効にし、引数が
                  与えられないなら、すべてのトレースを有効にします。

     traceoff(arg, ...)
                  与えられた引数のためのマクロ展開のトレースを無効にし、引数が
                  与えられないなら、すべてのトレースを無効にします。

     translit(string, mapfrom, mapto)
                  最初の引数の (複数の) 文字を 2 番目の引数によって与えられた
                  セットから、3 番目の引数によって与えられたセットに変換しま
                  す。tr(1) スタイルの略語を使用することはできません。

     undefine(name1, ...)
                  引数によって指定されたマクロのための定義を削除します。

     undivert(arg, ...)
                  指定された出力キュー (または、引数がなければ、すべての
                  キュー) をフラッシュします。

     unix         OS のプラットフォームをテストするためのあらかじめ定義された
                  マクロ。

     __line__     現在のファイルの行番号を返します。

     __file__     現在のファイルの名前を返します。

終了ステータス
     ユーティリティ m4 は、成功すると 0 で、エラーがあった場合は >0 で終了しま
     す。

     しかし、-E フラグが指定できるように、m4exit マクロは、終了ステータスを修
     正することができることに注意してください。

規格
     m4 ユーティリティは、IEEE Std 1003.1-2008 (``POSIX.1'') 仕様に準拠してい
     ます。

     フラグ [-dEgIPot] とマクロ builtin, esyscmd, expr, format, indir, paste,
     patsubst, regexp, spaste, unix, __line____file__ は、その仕様に対して
     拡張されています。

     それは、陳腐化しているとして IEEE Std 1003.1-2008 (``POSIX.1'') によって
     マークされ、移植性に影響するなら、使用されるべきではありません。

     traceondumpdef の出力形式は、あらゆる標準で指定されず、変更されるかも
     しれないので、依存するべきではありません。トレースの現在の形式は、
     autoconf が動作することを可能にするために gnu-m4 で厳密にモデル化されてい
     ます。

     組み込みの pushdefpopdef は、スタックとしてマクロ定義を扱います。しか
     しながら、define は、未定義の方法でスタックと情報をやりとりします。この実
     装で、define は、最も上位の定義のみを置き換えます。他の実装は、代わりのス
     タックのすべての定義を消すかもしれません。

     すべての組み込みマクロは、他の多くの m4 の引数なしで拡張を行います。

     他の多くの m4 は、バッファサイズに関してひどいサイズ制限をしています。

作者
     Ozan Yigit <oz@sis.yorku.ca> と Richard A. O'Keefe
     <ok@goanna.cs.rmit.OZ.AU>。

     マーク Espie<espie@cvs.openbsd.org> による GNU-m4 互換性の拡張は、Marc
     Espie <espie@cvs.openbsd.org> によります。

FreeBSD 11.4                     July 8, 2020                     FreeBSD 11.4

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