FreeBSD 日本語マニュアル検索 (jman/japropos/jwhatis)


日本語 man コマンド類 (ja-man-1.1j_5) と日本語 man ドキュメント (ja-man-doc-5.4 (5.4-RELEASE 用) など) をインストールすると、以下のような man コマンド閲覧、キーワード検索が コンソールからできるようになります。

4.11-RELEASE-K, 5.4-RELEASE-K, 5.5-RELEASE-K, 6.0-RELEASE-K から 6.4-RELEASE-K, 7.0-RELEASE-K から 7.4-RELEASE-K, 8.0-RELEASE-K から 8.4-RELEASE-K, 9.0-RELEASE-K から 9.3-RELEASE-K, 10.0-RELEASE-K から 10.3-RELEASE-K, 11.0-RELEASE-K から 11.4-RELEASE-K, 12.0-RELEASE-K, 12.1-RELEASE-K は、 プライベート版 (小金丸が編集してまとめたもの) ですが、 より多くの翻訳したファイルが含まれています。 (5.4-RELEASE-K から 6.4-RELEASE-K, 7.0-RELEASE-K から 7.4-RELEASE-K, 8.0-RELEASE-K から 8.4-RELEASE-K, 9.0-RELEASE-K から 9.3-RELEASE-K, 10.0-RELEASE-K から 10.3-RELEASE-K, 11.0-RELEASE-K から 11.4-RELEASE-K, 12.0-RELEASE-K から 12.4-RELEASE-K, 13.0-RELEASE-K から 13.3-RELEASE-K, 14.0-RELEASE-K から 14.1-RELEASE-K は、全翻訳済み)

13.3-STABLE-K, 15.0-CURRENT-K は現在、作成中で日々更新されています。



検索コマンド: man apropos whatis
コマンド/キーワード:
日本語マニュアル RELEASE :
セクション:
Table of Contents
名称 | ライブラリ | 書式 | 解説 | SYSCTL 調整変数 | 戻り値 | エラー | 関連項目 | 歴史
KTRACE(2)              FreeBSD システムコールマニュアル              KTRACE(2)

名称
     ktrace -- プロセスのトレース

ライブラリ
     標準 C ライブラリ (libc, -lc)

書式
     #include <sys/param.h>
     #include <sys/time.h>
     #include <sys/uio.h>
     #include <sys/ktrace.h>

     int
     ktrace(const char *tracefile, int ops, int trpoints, int pid);

解説
     ktrace() システムコールは、1 つ以上のプロセスのトレースを有効にするか、ま
     たは無効にします。ユーザは、自分のプロセスだけをトレースできます。スーパ
     ユーザだけが、setuid または setgid のプログラムをトレースすることができま
     す。

     tracefile 引数は、トレースのために使用されるファイルのパス名を与えます。
     ファイルは、存在しなければならず、呼び出しているプロセスによって書き込み
     可能な通常ファイルでなければなりません。すべてのトレースレコードは、常に
     ファイルに付け加えられるので、ファイルは、前のトレースデータを破棄するた
     めに、0 の長さに切り詰められなければなりません。トレースポイントが無効に
     されているなら (下記の KTROP_CLEAR を参照)、tracefile は、空にされます。

     ops 引数は、要求された ktrace 操作を指定します。定義された操作は、次の通
     りです:

           KTROP_SET             trpoints で指定されたトレースポイントを有効に
                                 します。
           KTROP_CLEAR           trpoints で指定されたトレースポイントを無効に
                                 します。
           KTROP_CLEARFILE       すべてのトレースを停止します。
           KTRFLAG_DESCEND       トレースの変更は、指定されたプロセスとその現
                                 在のすべての子プロセスに適用するべきです。

     trpoints 引数は、関心のあるトレースポイントを指定します。定義されたトレー
     スポイントは、次の通りです:

           KTRFAC_SYSCALL        システムコールをトレースします.
           KTRFAC_SYSRET         システムコールからの返り値をトレースします.
           KTRFAC_NAMEI          名前の検索操作をトレースします.
           KTRFAC_GENIO          すべての I/O をトレースします (このオプション
                                 は, 多くの出力を生成することに注意してくださ
                                 い).
           KTRFAC_PSIG           投稿されたシグナルをトレースします.
           KTRFAC_CSW            コンテキストスイッチの時点をトレースします.
           KTRFAC_USER           アプリケーション特有のイベントをトレースしま
                                 す.
           KTRFAC_STRUCT         特定のデータ構造をトレースします.
           KTRFAC_SYSCTL         sysctl をトレースします.
           KTRFAC_PROCCTOR       プロセス構築をトレースします.
           KTRFAC_PROCDTOR       プロセス破壊をトレースします.
           KTRFAC_CAPFAIL        ケーパビリティ機能をトレースします.
           KTRFAC_FAULT          ページフィルトをトレースします.
           KTRFAC_FAULTEND       ページフィルトの終りをトレースします.
           KTRFAC_INHERIT        将来の子プロセスへのトレースを継承します.

     各トレースのイベントは、トレースポイントに特有の構造体が続いている一般的
     なヘッダからなるレコードを出力します。一般的なヘッダは、次の通りです:

     struct ktr_header {
             int             ktr_len;                /* バッファの長さ */
             short           ktr_type;               /* トレースレコードの
                                                        タイプ */
             pid_t           ktr_pid;                /* プロセス ID */
             char            ktr_comm[MAXCOMLEN+1];  /* コマンド名 */
             struct timeval  ktr_time;               /* タイムスタンプ */
             intptr_t        ktr_tid;                /* was ktr_buffer */
     };

     ktr_len フィールドは、このヘッダに続いている ktr_type データの長さを指定
     します。ktr_pidktr_comm フィールドは、レコードを生成するプロセスとコ
     マンドを指定します。ktr_time フィールドは、レコードが生成された時間 (マイ
     クロ秒の精度で) を与えます。ktr_tid フィールドは、スレッド ID を保持して
     います。

     一般的なヘッダには、ktr_type レコードの ktr_len バイトが続きます。タイプ
     特有レコードは、<sys/ktrace.h> インクルードファイルで定義されています。

SYSCTL 調整変数
     次の sysctl(8) 調整変数は、ktrace() の振る舞いに影響します:

     kern.ktrace.geniosize
             トレースされた I/O 要求がトレースファイルにログ記録するデータ量の
             制限。

     kern.ktrace.request_pool
             一度にログ記録されるトレースイベントの数の制限。

     また、制御プロセスのデバッグ可能性 (p_candebug(9) によって決定されるよう
     な) は、ktrace() の操作にも影響する sysctl 調整変数。

戻り値
     関数 ktrace() は、処理が成功すると値 0 を返します。そうでない場合、値 -1
     が返され、グローバル変数 errno にエラーを示す値が設定されます。

エラー
     ktrace() システムコールは、次の場合に失敗します:

     [ENOTDIR]          パス接頭辞の構成要素が、ディレクトリではありません。

     [ENAMETOOLONG]     パス名の構成要素が 255 文字を越えているか、または、全
                        体のパス名が 1023 文字を越えています。

     [ENOENT]           指定された tracefile が、存在しません。

     [EACCES]           検索パーミッションが、パス接頭辞の構成要素のために拒否
                        されています。

     [ELOOP]            パス名の変換で、あまりにも多くのシンボリックリンクに遭
                        遇しました。

     [EIO]              I/O エラーが、ファイルシステムから読み込むか、または書
                        き込む間に起こりました。

     [ENOSYS]           カーネルが、ktrace サポートでコンパイルされませんでし
                        た。

     スレッドは、リソースの一時的な不足のために、1 つ以上のトレースのイベント
     をログ記録することができないかもしれません。この条件は、カーネルによって
     記憶され、成功する次のトレース要求は、その ktr_type フィールドに設定され
     たフラグ KTR_DROP があります。

関連項目
     kdump(1), ktrace(1), utrace(2), sysctl(8), p_candebug(9)

歴史
     ktrace() システムコールは、4.4BSD ではじめて登場しました。

FreeBSD 11.4                    March 31, 2016                    FreeBSD 11.4

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