FreeBSD 日本語マニュアル検索 (jman/japropos/jwhatis)


日本語 man コマンド類 (ja-man-1.1j_5) と日本語 man ドキュメント (ja-man-doc-5.4 (5.4-RELEASE 用) など) をインストールすると、以下のような man コマンド閲覧、キーワード検索が コンソールからできるようになります。

4.11-RELEASE-K, 5.4-RELEASE-K, 5.5-RELEASE-K, 6.0-RELEASE-K から 6.4-RELEASE-K, 7.0-RELEASE-K から 7.4-RELEASE-K, 8.0-RELEASE-K から 8.4-RELEASE-K, 9.0-RELEASE-K から 9.3-RELEASE-K, 10.0-RELEASE-K から 10.3-RELEASE-K, 11.0-RELEASE-K から 11.4-RELEASE-K, 12.0-RELEASE-K, 12.1-RELEASE-K は、 プライベート版 (小金丸が編集してまとめたもの) ですが、 より多くの翻訳したファイルが含まれています。 (5.4-RELEASE-K から 6.4-RELEASE-K, 7.0-RELEASE-K から 7.4-RELEASE-K, 8.0-RELEASE-K から 8.4-RELEASE-K, 9.0-RELEASE-K から 9.3-RELEASE-K, 10.0-RELEASE-K から 10.3-RELEASE-K, 11.0-RELEASE-K から 11.4-RELEASE-K, 12.0-RELEASE-K から 12.4-RELEASE-K, 13.0-RELEASE-K から 13.3-RELEASE-K, 14.0-RELEASE-K から 14.1-RELEASE-K は、全翻訳済み)

13.3-STABLE-K, 15.0-CURRENT-K は現在、作成中で日々更新されています。



検索コマンド: man apropos whatis
コマンド/キーワード:
日本語マニュアル RELEASE :
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名称 | 解説 | 操作 | 設定 | セキュリティ上の問題 | 関連項目 | バグ
DISKLESS(8)            FreeBSD システム管理者マニュアル            DISKLESS(8)

名称
     diskless -- ネットワークを介してシステムをブートする

解説
     ネットワークを介してマシンをブートする能力は、diskless もしくは dataless
     マシンのためや、ローカルのファイルシステムの再インストールまたは修復中に
     一時的に利用するために有用です。このファイルは、クライアントがネットワー
     クを介してブートする時に、クライアントとサーバとの間で行われる通信の一般
     的な解説を提供します。

操作
     ネットワークを介してシステムをブートする時に、クライアントとサーバの間で
     3 フェーズのやりとりがあります:

     1.   ステージ 1 のブートストラップ、典型的には、イーサネットカード組み込
          みの PXE が、ブートプログラムを読み込みます。

     2.   ステージ 2 ブートプログラム、典型的には、pxeboot(8) が、モジュールと
          カーネルを読み込み、カーネルをブートします。

     3.   カーネル NFS がルートディレクトリをマウントし、そこから処理を継続し
          ます。

     これらの各フェーズについて、以降で詳しく記述します。

     最初に、ステージ 1 ブートストラップがステージ 2 ブートプログラムをネット
     ワーク経由でロードします。ステージ 1 ブートストラップは、典型的には、
     BOOTP か DHCP を使用して読み込むファイル名を取得し、TFTP を使用してその
     ファイルをロードします。このファイルは、典型的には、pxeboot と呼ばれ、
     /boot/pxeboot からサーバの TFTP ディレクトリに、典型的には、/tftpdir にコ
     ピーされるべきです。

     それから、ステージ 2 ブートプログラムが追加モジュールとカーネルをロードし
     ます。これらのファイルは、DHCP サーバや BOOTP サーバには、存在しないかも
     しれません。DHCP 設定で使用可能な next-server オプションを使用して、ス
     テージ 2 ブートファイルとカーネルを持つサーバを指定可能です。ステージ 2
     プログラムは、NFS または TFTP を使用してこれらのファイルを取得します。デ
     フォルトでは、NFS が使用されます。pxeboot(8) を使用している場合、
     make.conf(5) に LOADER_TFTP_SUPPORT=YES を設定し、下記の方法で pxeboot(8)
     を再コンパイルおよび再インストールすることで TFTP を使用するバージョンを
     インストール可能です。しばしば TFTP を使用することが必要となりますので、
     /tftpdir/ にカスタムカーネルを置くことができます。NFS を使用するが
     diskless クライアント用にカスタムルートファイルシステムを持たない場合、ス
     テージ 2 ブートは、サーバのカーネルを diskless マシン用のカーネルとして
     ロードしますが、これは、あなたの期待する動作ではないかもしれません。

           cd /usr/src/stand/i386
           make clean; make; make install
           cp /boot/pxeboot /tftpdir/

     フェーズ 3 では、カーネルは、以下の 2 つの方法のどちらかで IP ネットワー
     ク設定を獲得し、ルートファイルシステムのマウントに進み、動作を開始しま
     す。フェーズ 2 のローダが、カーネル環境を使ってカーネルにネットワーク設定
     を渡せるのなら、カーネルは、その情報を使ってネットワークインタフェースを
     設定します。そうでない場合、DHCP や BOOTP を用いて設定情報を獲得しないと
     なりません。ブートスクリプトは、diskless 起動を認識し、/etc/rc.d/resolv,
     /etc/rc.d/tmp, /etc/rc.d/var/etc/rc.initdiskless 中の動作を実行しま
     す。

設定
     diskless クライアントを実行させるためには、次に示すものが必要です:

     •   NFS サーバ。これは、適切なパーミッションを付けてルートパーティション
         と /usr パーティションをエクスポートします。いくつかのシステムファイ
         ルにアクセスできるようにするために、ルートパーティションが -maproot=0
         でエクスポートされている限り、スクリプト diskless は、読み込み専用
         パーミッションで動作します。例として /etc/exports は、次に示す行を含
         みます:

               <ROOT> -ro -maproot=0 -alldirs <list of diskless clients>
               /usr -ro -alldirs <list of diskless clients>

         ここで <ROOT> は、ルートパーティションのサーバ上でのマウントポイント
         です。スクリプト /usr/share/examples/diskless/clone_root を使い、共用
         可能な読み込み専用ルートパーティションを生成することができます。しか
         し、多くの場合、サーバ自身が使用するルートディレクトリを (読み込み専
         用で) エクスポートさせると決めることもできます。

     •   BOOTP または DHCP サーバ。bootpd(8) は、/etc/inetd.conf の ``bootps''
         行のコメントを外すことで使用可能にすることができます。/etc/bootptab
         の例は、次のようになります:

                .default:\
                   hn:ht=1:vm=rfc1048:\
                   :sm=255.255.255.0:\
                   :sa=<SERVER>:\
                   :gw=<GATEWAY>:\
                   :rp="<SERVER>:<ROOT>":

               <CLIENT>:ha=0123456789ab:tc=.default

         <SERVER>, <GATEWAY>, <CLIENT>, <ROOT> の意味は明らかでしょう。

     •   適切に初期化されたルートパーティション。スクリプト
         /usr/share/examples/diskless/clone_root が、サーバのルートパーティ
         ションを参照として使用することで、この作成の助けとなります。作業を始
         めたばかりならば、サーバ自身のルートディレクトリ / を使用すべきであ
         り、この複製を作成すべきではありません。

         普通は、diskless (ディスクレス) ブートにおいてはサーバの rc.confrc.local とは異なるものを使いたいでしょう。diskless ブートスクリプト
         は、(ルートの他のサブディレクトリと同様) /etc 中の様々なファイルを
         オーバライドする機構を提供します。

         利用者が特別の注意を払うべきである 1 つの違いは、
         /etc/defaults/rc.conflocal_startup の値です。diskless ブートのた
         めの典型的な値は、mountcritremote ですが、利用者の要求は、異なってい
         るかもしれません。

         スクリプトは、4 個のオーバライドディレクトリ /conf/base,
         /conf/default, /conf/<broadcast-ip>, /conf/<machine-ip> を提供しま
         す。サーバの /etcdiskless マシン上で完全に置き換える
         /conf/base/etc を、常に作成すべきです。ここで、サーバの /etc を複製す
         ることが可能ですし、サーバの /etc/conf/base/etc へマウントするこ
         とを diskless ブートスクリプトに対して指示する特殊ファイルを作成する
         ことも可能です。これは、diskless マシンの /etc の元となるマウントポイ
         ントを含むファイル /conf/base/etc/diskless_remount を作成することで実
         現されます。例えば、このファイルの中身は、次のようになります:

               10.0.0.1:/etc

         代りに、サーバが独立したルートを複数持つ場合、このファイルは、次のよ
         うになります:

               10.0.0.1:/usr/diskless/4.7-RELEASE/etc

         これは、動作しますが、/usr/diskless/4.7-RELEASE/usr/diskless/4.8-RELEASE へコピーしてインストールを更新すると、この
         移動を反映するように diskless_remount を変更する必要があるでしょう。
         これを避けるために、diskless_remount ファイル中のパスで / で開始する
         ものの実際のパスは、クライアントのルートをこれらの前に付けたものにな
         ります。これにより、このファイルには、次のように書けます:

               /etc

         diskless スクリプトは、オーバライドされたディレクトリを保持するため
         に、メモリファイルシステムを作成します。わずか 2MB パーティションがデ
         フォルトで作成されますが、用途によっては足りないかもしれません。この
         動作を変えるには、このディレクトリ用のメモリディスクの大きさを 512 バ
         イトセクタ数単位で示す、ファイル /conf/base/etc/md_size を作成しま
         す。

         その次に、典型的には、ファイル毎のオーバライドを /conf/default/etc
         ディレクトリにて提供します。最低でも、/etc/fstab, /etc/rc.conf,
         /etc/rc.local のオーバライドを /conf/default/etc/fstab,
         /conf/default/etc/rc.conf, /conf/default/etc/rc.local で指定する必要
         があります。

         オーバライドは、階層的です。ネットワーク固有のデフォルトを
         /conf/<BROADCASTIP>/etc ディレクトリ中で提供可能です。ここで、
         <BROADCASTIP> は、BOOTP にてディスクレスシステムに与えられる、
         diskless システムのブロードキャストアドレスを示します。
         diskless_remount および md_size の機構は、これらのディレクトリ中のい
         かなるものに対しても動作します。コンフィギュレーション機能は、/etc 以
         外のディレクトリに対して動作します。置換やオーバライドしたいディレク
         トリを /conf/{base,default,<broadcast>,<ip>}/* 中に作成することで、
         /etc と同様に動作します。

         通常は、/conf/base/etc/diskless_remount を使用してサーバの /etc を複
         製しますので、メモリファイルシステムから不要なファイルを削除したいか
         もしれません。例えば、サーバは、ファイアウォールを持つがディスクレス
         ではそうでない場合、/etc/ipfw.conf を削除したいと思うでしょう。
         /conf/base/<DIRECTORY>.remove ファイルを作成することで、これは、実現
         可能です。例えば、/conf/base/etc.remove に相対パスを列挙すると、ブー
         トスクリプトがこれらをメモリファイルシステムから削除します。

         最低でも、/conf/default/etc/fstab に次の内容を含める必要があります。

               <SERVER>:<ROOT> /     nfs    ro 0 0
               <SERVER>:/usr   /usr  nfs    ro 0 0

         また、/conf/default/etc/rc.conf を変更し、diskless クライアント用のス
         タートアップオプションを含むようにしたバージョンを用意する必要もあり
         ます。/conf/default/etc/rc.local は、空にできますが、サーバ自身の
         /etc/rc.localdiskless システムに使用されることを防げます。

         スタートアップコードで既に設定されているため、rc.conf では、hostnameifconfig_* を指定する必要は、まずないでしょう。最後になりますが、
         複数の diskless クライアントで同じ設定ファイルを共有する場合、
         `hostname` の値をスイッチ変数に使う case 文を用いて、マシン固有の設定
         を行なうようにすると良いかもしれません。

     •   NFS または TFTP を使用してロードされる、diskless クライアント用のカー
         ネル。これは、NFS クライアントのサポートを含んでいなければなりません:

               options NFSCL
               options NFS_ROOT

         カーネル環境を使ってカーネルにネットワーク設定を渡すことのできない
         ブート機構を使っているのなら、次のオプションも含める必要があります:

               options BOOTP
               options BOOTP_NFSROOT
               options BOOTP_COMPAT

         注: PXE 環境では、上記のオプションは、必要ありません。

         diskless ブート環境は、ルートファイルシステムを読み込み専用でマウント
         する時に一時的なローカルディスクを提供するメモリに裏打ちされたファイ
         ルシステムに依存しています。そのため、カーネル設定のデバイスセクショ
         ンには、次を追加することが必要です:

               device md

         ファイアウォールを使用する場合、デフォルトを ``open'' にしておかねば
         ならないことは覚えておいて下さい。オープンにしておかないと、カーネル
         で BOOTP パケットの読み書きができなくなります。

セキュリティ上の問題
     暗号化されない NFS を使用してルートパーティションとユーザパーティションを
     マウントすると、暗号化キーなどの情報が洩れるかもしれないことに注意して下
     さい。

関連項目
     ethers(5), exports(5), make.conf(5), bootpd(8), mountd(8), nfsd(8),
     pxeboot(8), reboot(8), tftpd(8)

     ports/net/etherboot

バグ
     このマニュアルページは、おそらく不完全です。

     FreeBSD は、ときどきルートパーティションに書き込みを要求します。ですか
     ら、スタートアップスクリプトでは、元の内容を保存する間、MFS ファイルシス
     テムをいくつかの位置 (/etc/var など) にマウントします。この処理は、す
     べての場合を扱えないかもしれません。

FreeBSD 11.4                    August 7, 2011                    FreeBSD 11.4

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