日本語 groff-1.18.1 の修正点
02 版平成20年(2008年)12月31日 (水)
作成 小金丸信幸
1) 「、」や「。」の後の改行に続く英数字の前に空白を入れない
現在の groff は、次のようなマニュアル (cp.1) で groff を実行すると、
---- ここから ----
1 番目の書式の場合、
.Nm
は、
.Ar source_file
の内容を
.Ar target_file
にコピーします。
---- ここまで ----
出力は、次のように、
---- ここから ----
1 番目の書式の場合、 cp は、 source_file の内容を target_file にコピーし
---- ここまで ----
「、」や「。」の後の改行に続く英数字の前に空白が入ってしまいます。
これを入らないようにしました。次のようになります。
---- ここから ----
1 番目の書式の場合、cp は、source_file の内容を target_file にコピーしま
---- ここまで ----
2) 「(」 と 「``」 等に対する行末禁則処理
現在の groff は、日本語 (〔[{「『【 に対しての行末禁則処理は、行っ
ていますが、ASCII 文字 ( や `` 等の行末禁則処理が未完成です。
これを、可能としました。
これらの行末禁則処理の対象となる文字は、euc-jp.tmac
ファイルで指定できます。
3) 日本語イタリック体指定の前に空白を入れない
現在の groff では、.I、.Em や .Ar のような英文では、イタリック体となる
文字の所に日本語を入れると前の行が日本語の場合、必ず空白が入ってしまい
ます。次は、cvs.1 のマニュアルの一部です。
---- ここから ----
.TP
.B \-Q
は、コマンドを
.I 真に
寡黙にします。
コマンドは深刻な問題についてのみ出力を行います。
---- ここまで ----
次のようになります。
---- ここから ----
-Q は、コマンドを 真に寡黙にします。コマンドは深刻な問題についての
み出力を行います。
---- ここまで ----
これを、
---- ここから ----
-Q は、コマンドを真に寡黙にします。コマンドは深刻な問題についてのみ
出力を行います。
---- ここまで ----
にします。
4) その他、LANG 環境変数
LANG 環境変数が ja_JP.EUC でもコアダンプせずに実行できるようにしました。
5) 今後
o 英語のイタリック体指定が tty の場合に下線を付けて表示されますが、
(jless での表示で) 日本語でも下線を付けるようにする予定です。
o 最新の groff は、groff-1.19.2 ですが、日本語化されていません。
ソースファイルは、1.18.2 とほとんど同じで、日本語化の修正をしましたが、
PostScript 出力の一部分が修正が困難となっています。
o groff-1.19.2 の日本語化するには、マクロの部分も修正する必要があり、
手間が掛かります。
6) 改版履歴
01 版 平成20年(2008年)11月26日 (水)
02 版 平成20年(2008年)12月31日 (水)
ASCII の行末禁則処理の対象を euc-jp.tmac で指定できるように変更。
以上。